小さな町の小さなライブハウスから



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世界初のウッドストック音楽本

ウッドストックは世界的に知られる音楽の聖地だ。しかしながら、本当のウッドストックの姿を書き記した本は世界で初。それを日本人がやったというのは快挙ではないか!

書店で手に取った時はよくある音楽旅行記かと思ったが、ページを繰ってこれは驚いた。スモールタウンで育まれた音楽とそのバックグラウンドにあるアメリカン・ルーツ・ミュージックを、60年代?70年代、そして現在にいたるフォーク、ルーツ音楽を地味ながら支える重鎮たちにインタビューを行い、丁寧に探り、紹介している。ライブ・レビューもリアリティがある。

大一級の資料的価値も備えていると言えるだろう。ここに紹介されているミュージシャンのインタビューは、ジョン・セバスチャン以外には、おそらく一般の音楽雑誌でさえ目にする機会はあるまい。無名なのかと言えば、そうではない。ただ、メジャー誌が取り上げなかっただけだろう。過激さの微塵もないこの種の本は、多くの読者を獲得できずに埋もれてしまうのが定説かもしれないが、それを覆してほしい1冊である。他の方のレビューにもあるが、けっしてウッドストック音楽や洋楽ファンだけでなく、ポピュラー音楽に関心のある全ての方に音楽への向き合い方、愛し方を正しく伝えてくれると思う。

筆者は実際に3年間のNY、ウッドストックに暮らし、その経験をもとに、この素晴らしい仕事をものにしている。だからなのか、いささかの軸のブレもない。すでにいくつかの雑誌でも書評がでているが、美しい装丁と共に、ページを繰っているだけで、本当に幸せな気分になる。全てを読み終えた時には、自分もウッドストックに旅したような気にさえなる見事な構成だ。また、紹介されているCDも欲しくなってしまうという、これは本当に罪な名著かも。
繰り返し読みたい! ハートに届く音楽本

「ウッドストック」と聞くと、多くは有名なフェスティバルのこととか、少し洋楽に詳しい人なら、ディラン、ザ・バンドに関係する町を連想されるだろう。前者については実際にはフェスティバルはウッドストックで開催されたのではないと、この本で見事に否定されている。後者については正しい。ただ、この本では両者については僅かしか語られず、大半はウッドストック・サウンドの真の担い手であるミュージシャンと、彼らのバックグラウンドにあるアメリカン・ルーツ・ミュージックに多くのページが費やされている。

それにしても、これほど温かく、核心をついた音楽評論があっただろうか。著者は実際に約3年のウッドストック生活を体験されているそうだが、それだからなのか、町やミュージシャン、現地でのライブ・レビューについての語りが、実に優しく、その場にいるようなリアリティを感じさせるのだ。これは訳知り顔の評論家、リサーチ業に陥っているような音楽ライターには真似の出来ないものだ。徹底してファンの眼差しで書かれているのが素晴らしい。

そして、ミュージシャンの「音楽」への向き合い方。また、ライブという場の大切さ、ありかたを真摯に伝え、また考えさせるという点では、マニアックな音楽ファンだけではなく、メジャーな音楽シーンや日本のJ-POPを聴く人にも一読をお勧めできる。本当に読んで欲しいと思う。

ミュージシャンへのロング・インタビューも読み応えたっぷりで、ハッピー&アーティ・トラウム、ジョン・ヘラルド、ビル・キース、トム・パチェコ、ジョン・セバスチャンなど、よくぞ聞いてくれたと感謝したくなる。これだけの内容を著者が一人で完成させたというのも驚きだ。

ここ数年で出会った音楽本では間違いなく五指に入る1冊だ。
♪行間から音楽が聞えてくる♪

アメリカン・ルーツミュージックに関心の深くない自分が、
ぐいぐいと心引き込まれ、とても幸せな気持ちで読み終えることができました。
自分を円の外に置き音楽を生み出す者たちを類推するような
音楽評論家的な平板な著書とは全く違います。
この著者は、
本当に音楽を愛し、創り手を愛し、創り手の暮らす日常を愛し、
そこにそっと寄り添って、
そこから生まれてきた音楽の素晴らしさを、
読む者に静かに語りかけてくれます。
だから、本当に、行間から音楽が光のように仄かにこぼれ、鳴り始めます。

僕は、ニルヴァーナのカートが歌うレッドベリーのカバーが大好きだった。
この本を読んで、より深く、カートのそれらの曲を愛することができるようになった。
カートもロックの喧騒を離れ、ウッドストックに住む道を選んでいれば、
今もきっと歌を紡ぎ続けていただろう…などと空想しました。

“風に選ばれて”歌を継ぐ

とても良い本に出会えました。11月のハッピー&アーティー・トラウムのライブ会場で著者自身から買わせていただきました。古いトラディショナル・ミュージックをミュージシャン自身が発掘し、ノスタルジーでなく今の音楽として歌い継がれていく。ルーツ・ミュージックの本というと、どうしても過去の掘り起しが中心になりがちですが、現在の言葉として多くのミュージシャンのインタビューが記録されたこの本は貴重な存在だと思います。コピーライターを職業とされている著者らしく、読み手への伝わりやすさを考慮された文章、インタビューの合間に挿入されたエピソードや解説など飽きさせない構成になっています。多くの音楽関係者、音楽ファンに読んでもらいたい。

最後にブック・デザインも著者なんですね。帯や表紙裏まで気配り満載。ジョン・ヘラルドのポートレート素敵です。
音楽を愛する全ての人に、必読の書

ザ・バンドやジェフ&マリア、ポール・バターフィールドといったウッドストック発の音楽というものに、ずっと注目してきた私のようなファンには、まさに待望とも言える1冊。30年待った(笑)。既に知っている話もあるけれど、インタビューはどれも目から鱗の話が続出。故ジョン・ヘラルドに行ったおそらく彼の“ラスト・インタビュー”には泣けてしまった。惜しむらくは、故リック・ダンコにも話を聞いておいて欲しかった(贅沢!)。

とにかくジョン・ヘラルド、ジョン・セバスチャン、ビル・キース、ハッピー&アーティ・トラウム、トム・パチェコのインタビューがまとめて読めるなんて、快挙としか言いようがない。

これはある種の聞き取り調査なのかもしれない。聞いておかないと失われてしまう貴重な証言を、著者は残そうとしたのだ。また、いかにも評論家が書いた音楽専門書ではないところも、素人の洋楽リスナーにも読みやすいのではないでしょうか。本はアメリカン・ルーツ・ミュージックの継承者たち、フォーク・ルーツ、そしてザ・バンド、ディランといったカリスマたちを枠ごとに、易しくまとめられている。ウルサ方の間でよく話題になるウッドストック、ルーツ音楽の関係も分かりやすい。読み物として楽しめるくらい優しい文章だから、300頁を越えるボリュームが、全然気にならない。とにかくこの1冊の存在はうれしい。



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